ミシガン出身のプロデューサー、Kendall Tuckerこと14KTの最新となるアルバム、"Nickel & Dimed"。アンダーグラウンドヒップホップを語る上で外せないであろう、Oddisee率いるMellow Music Groupの一員として活躍している14KT。彼の作るトラックは、"Dilla以降"と表現できるようなサンプルワークが中心で、そこに独特なシンセが加わり時にメロウに、時にブーン・バップな雰囲気にと、多彩な楽曲が多いです。最近ではATCQの映画"Beats, Rhymes & Life"へも楽曲提供しており、徐々に注目が集まりつつありますね。
やはり比較されるのはJ Dillaの音になってしまうのかもしれないですが、より緩くたるんだドラムやシンセベースだったり、チョップ・フリップの用法を一段進めたような独特な刻み方が特徴と言えるかと思います。
これまでに彼名義では"Nowalataz"、"The Golden Hour"、"A Friendly Game of KT"の3枚をリリースしていますが、これらも非常に質の高いビートアルバムになっていますので、気になる方はぜひチェックを。個人的には"Nowalataz"のネタ使いがめちゃくちゃ好みです。
本作はインストからなる"Nickel"サイドと、ピックアップした曲から各MCが招かれた"Dime"サイド、という構成になっています。参加アーティストはBlu、Ozay Moore(Othello)、Black Milk、JMSNなどなどアングラ界垂涎のメンツ。
03. Imonit!
彼のサウンドを端的に表しているような、一見粗さが残るような感じがありながらも、その実はすごく繊細な音になっています。"I'm On It"のコーラスもメロウな雰囲気を引き立てます。Ozay Mooreがラップしているバージョン、何か聴いてるとすごいBluっぽいんですが、こんなフローでしたっけ彼…。
19. Toris ft. Ab
不穏なストリングスとベースのループが独特のグルーヴを生み出している曲です。参加しているAbの、ジェシー・ボイキンスなんかにも似たアドリブに近いようなコーラスも相まって、クセになるサウンドになっています。今年の末に早くも予定されている14KTの新作は、このAbとのジョイントになるらしいとの情報もあるので、そちらも合わせて楽しみになりました。
他にも21. Slo Swerve ft. Jamall Bufford & JMSNなんかは、現行R&Bシーンにも繋がるようなスペイシーな雰囲気が印象深いです。この方面でいけば全然メインストリームにも打って出られるだけの実力があると思います。
まずは先述したAbとのコラボを待ち詫びたいと思いまっす!!
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