Funky Freshin'

日々リリースされる膨大なHip Hop / R&Bの海に溺れながら音源を紹介していきます

3月も特にペースは変わらずに聴いていたのですが、とにかくまとめる時間がなかったりブログを書く気力が無かったりで、若干放置気味でした。おそらく4月も変わらないと思いますが、新年度ですし気合いを入れ直したい気持ちも。まずは3月の棚卸しから。


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最初からスクリューで恐縮ですが春になるとついスクリューが聴きたくなるというもの(ならない)。もはやスクリュー業界の石原軍団と言っても良いスクリューDJ集団のChopstarからCandlestickとOG Ron CのダブルネームによるRick Ross - Mastermindをまるっと手がけた"Purplemind"。もはやスクリュー寡占状態とも言える彼らのオフィシャルスクリューである本作は、そこらのただ遅くしてカットしてみました、な作品とは一線を画し、ディレイやリバーブといったエフェクトからオールドスクールな2枚使いテクニックを駆使したれっきとしたDJ Mixになっており、非常に質が高いです。
ただでさえジャケでお腹いっぱいだったオリジナルからさらにクドさを増したジャケもさることながら、02. The Devil Is A Lie ft. Jay Zの"Mastermind..."のシャウトからトロットロな空間に引き込まれていきます。本作はRick Rossのリリックが波紋を呼んだりもしましたが、Maybachらしいラグジュアリー感溢れるサウンドが特徴的で、スクリューさせても音にバラエティがあって通しで聴いても飽きない作りになっています。一つ一つの音がスクリューさせることで際立つので、「あぁ、こんな所にこんな音が入っているのか…」みたいな新しい発見もあります。

3/9がNYのレジェンド、Notorious B.I.G.の命日だったこともあり、2月のDillaに続いて毎年トリビュート作品が公開されることが多いですが、今年ももちろんありました。その中でも気になったのがJames McDurtというオランダのプロデューサーによるRemix、"The Brooklyn Way"。またもや勉強不足でこのJames McDurtさんに関しては初耳だったのですが、作品自体はビギーのクラシックである曲を、これまた東海岸の雰囲気溢れるブーン・バップビートで華麗にRemixしてくれています。
02. Kick In The Doorのプリモ直系な太いドラムとシンプルなチョップ、タイトなスクラッチなど非常に"わかっている"音作りで、一発で彼は信頼できる男だと確信を持ちました。他にも、Rau Defも使っていたDynamic Five - Beautiful Ladyネタの03. My Downfall、ゲロファンキーなベースラインがたまらない08. Can I Get With Yaなどシンプルにカッコ良い解釈でビギーの功績を振り返っています。またReady To Dieから聴きたくなりますね。

そして3つ目もある意味Remixな一枚。De La Soulが突如としてアナウンスした、Dillaの楽曲を用いたミックステープである"Smell The D.A.I.S.Y."。当初は「De Laのブランニュー!!」のようなニュアンスで読めたため、こちらも期待していたのですが、実態は既発曲のアカペラとDillaの既発曲のインストのブレンド、といった趣きの一枚でした。少し残念ではありますが、まぁ彼らのコンビがこういった形で聴けるだけでもうれしい感じがします。
サウンドもJay Dee時代のモノから後期Dillaの現行デトロイトへと繋がるラインの音まで、幅広いチョイスをしていて、De La Soulとしては意外と珍しい雰囲気の楽曲もあるように思いました。個人的にはDillaのベストワークの一つだと思っているDon't Say Wordを使った04.  Goes With The Word、08. Leave Your Cares Behind(このインスト初めて聴きました…既発曲?)あたりはさすがといった感じ。また、Yasiin Gayeの延長線かと思うような突然のマッシュアップの11. Marvin Jayeはかなり面食らいました。Body Movin'のザラついたヒップホップとMarvin GayeのSexual Heelingがデトロイトで再開…という感じの一発ネタな楽曲ですが、思ったよりも違和感なく聴けます。

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BrooklynのMC、Memphis Bleekの最新ミクステ"The Movement 2"。前作のThe Movementが2012年の4月ですから、まる2年振りの作品となりますね。彼ももう35歳か…と勝手に感慨深い気持ちになってしまいました。キャリアを重ねてもロカフェラ時代の印象が強すぎて、良くも悪くも独特の小ワル感が拭えない雰囲気が嫌いになれないです。そしてサウンド面に関しても、現行のTrap系ビートを踏襲しながらも、やはり古き良きロカフェラ臭漂う、ある種ヒップホップバブル的なサウンドが中心で、聴いていて今は本当に2014年なのかと思ってしまうような作品でした。書きかたに語弊があるかもしれませんが、自分の青春時代に聴いていたMemphis Bleekが当時と変わらない雰囲気で10年後も続けてるって、結構ヤバいです。そして大好きです。
Just Blazeプロデュースなイキフンビンビンで男臭いメンツとのマイクリレーな08. R.N.S. ft. Sean Price & Rob Kell、こちらもJust Blazeプロデュースなイキフンビンビンな12. Deep Down Insideあたりがハイライトでしょうか。アルバムもTBAながら制作が予定されてるとのことで、こちらも楽しみに待ちたいと思います。

こちらはフロリダのMC、Jered SandersによるEP、"Sorry For The Late EP"。今年にアルバムのリリースが予定されているのですが、どうやらそちらの制作が遅れているようで、こちらはファンへの謝罪な意味合いでリリースされたEPになるようです。なんかヤング・マネーな方も前に同じことやっていたような…。実は去年にもEPを出していて、そちらのタイトルが"While You Were Waiting EP"。どんだけ待たせるんだという感じですが、今年出るらしいので待ちましょう…。
サウンド的にはフロリダの暖かい気候が影響しているのか、暗い曲少なめの良い感じにレイド・バックができている作品です。上に挙げたMemphis Bleekと同時多発的に出没した、名前的に思い切り意識の05. Roc-A-Fella Chain、サーフな雰囲気のゆったり系な07. Black Butterflyなど、これから暖かくなる季節にちょうどいい温度感の曲がおすすめです。ちなみに前作のほうも優しい音作りの曲が多く、こちらも合わせて聴いてみると良いです。このブログで絶賛プッシュ中のJansport Jも参加しています。

最後はアトランタの新鋭プロデューサー、Sonny Digitalのワークスをコンパイルしたミクステ、"Digital History 2"。最初この名前を見かけたときは「ふざけてる…」と思ったものですが、デビューから3年くらいたってみて、見事にアトランタのシーンに欠かせないプロデューサーとして地位を築いたのではないでしょうか。彼はコンスタントにワークスを集めたミクステをこの他にも発表しているので、色々探してみると彼の人となりがわかるかもしれません。これらミクステのホスト役として名を連ねているのが、去年強烈なデビューを果たしたアトランタのMC、Queです。(そういえばQueのEPはいつ出るんでしょう?)
サウンドはもう本当にわかりやすいようなTrap、A-Town直系の音なので、好き嫌い分かれるのかもしれないですが、現行ヒップホップを追う上で避けられない存在であるのは間違いないので、聴かず嫌いなかたも一度は聴いてみたほうがよいかも。"OG Bobby Johnson"以降のヒットを狙うQueの02. Time、King Louieの21. 2 Pairなど、シンプルながら一度聴くと妙に耳に残るサウンドで、フロアバンガーになりうる楽曲も非常に多いです。2014年の動向次第では去年のマスタードなみにガツンとブレイクする可能性秘めたアーティストな気がしています。


本当は3月終わりにFemale MCのまとめをやろうと思ったのですが、、やはり時間が取れませんでした。最近XXL MagのFreshmen 2014にも多くのFemaleがノミネートされるなど、本国メディアもその勢いを感じているころだと思うので、旬なうちに記事としてまとめておけたらなぁと考えています。

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