Funky Freshin'

日々リリースされる膨大なHip Hop / R&Bの海に溺れながら音源を紹介していきます

前半戦からの続きです。GWも始まり皆さん新たな思い出の1ページを紡ごうとしていると思いますが、僕は特に遠出する予定もないので気持ちだけでもUSに行きたい一心でDigっています。書いてて悲しくなってきたのでさっそくピックアップにいきましょう。

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フィラデルフィアが産んだガナリ系MC、Freewayとピッツバーグ出身でマッシュアップなどを多く手がけるプロデューサー、Girl Talkの2人がコラボしたEP、"Broken Ankles"。もとはJay Z率いるRoc-A-Fellaに所属しBeanie Sigelらと共にState Propertyとしても活動していた、非常にいなたいラップが持ち味のFreeway。現在はCash Moneyにレーベルを移していて、2012年のフル・アルバム以来の久しぶりのリリースとなっています。

勉強不足ながらGirl Talkについては存じてなかったんですが、今回のEPを聴く限りコンセプトというかスタイルをFreewayのスタイルにカッチリ合わせてきた印象で、これまでのFreewayの作品と比べても期待を裏切らない、彼らしい作品になっていると感じました。いまのMaybach Musicなんかのルーツともいえるような、エモいネタをサンプリングに用いたソウルフルなトラックと、情感たっぷりな(やもすると苦しそうに聞こえる)フローが映える、良作になっています。

ネタチョイス自体は2004~5年辺りを彷彿とさせながらも、テンポをグッと落とすことで今風の雰囲気にアップデートされている02. Tolerated ft. Waka Flocka Flame、さらに10年前にトリップしたかのようなバウンスが懐かしい06. Lived It あたりを聴いているとFreewayまだまだやれるな~と感じてしまいました。自分がこの辺の年代をいまだに引きずっているので、彼らが活躍してくれると嬉しくなります。Memphis Bleekとかも最近動きが活発ですし、Roc-A-Fellaリバイバル来ないかなぁ。



真ん中はカンザス出身のラッパー、Stik Figaの最新EP、"The Pookey Tape"。Oddisee率いるアンダーグラウンドシーンを暗躍するレーベル、Mellow Music Groupに所属し、これまでにもOddiseeやApollo Brownのアルバムにゲストとして参加しているラッパーです。2012年に、彼のキャリアをまとめたベスト版、"Best Of Stik Figa"が発表されているのと、2013年にはL'Orangeとのコラボ作品、"The City Under The City"がリリースされています。これらも合わせてオススメです。

一癖も二癖もあるMellow Musicのプロデューサーに揉まれた経験は伊達ではなく、どんなトラックでも器用に乗りこなしていくラッパーですが、今作では特にオールド・スクール・ブーンバップの楽曲において彼の素晴らしさを聴くことができます。P-Funkっぽいネタをエモくチョップすることで車で流しながら聴きたくなるサウンドになった02. Charlies Liquor ft. Irv da Phenom、思いっきり90年代なビートとコール&レスポンスがたまらない03. Knowhere Pt.2あたりは本当に好みでした。

Mellow Musicはコンスタントにリリースがあり、一つ一つ追っていくのも結構大変なんですが、良い作品が多くてチェックしがいのあるレーベルです。個人的には9th Wonderが主宰するJamlaとの繋がりが深いのもポイントで、最近だとVerbal Kent & Khrysisのコラボであったり、JamlaではないですがLittle Brother時代の盟友、Rapper Big Poohのアルバムのディールを行ったりしています。


右はシカゴのラッパー、Richardthe50のEP、"Dear You"。記事のタイトルにMixtapeと冠しておきながらここまで EPしか紹介していませんが気にしてはいけません。
このRichardthe50、情報がほぼ得られず(探し方が悪いのか…)、シカゴ出身、The Sober Gold Clubというクルー(?)に属しているということ以外は現状わかりませんでした。どうやら、このあと彼のミクステとなる"Marx Theory"のリリースが予定されているようで、その前菜的な位置づけのEPのようではあります。

サウンドとしては、その陰な部分も含めて昨今の注目を集めるシカゴらしい作品になっています。すごく乱暴な括りかたをしてしまうとChance The Rapper/Vic Mensa系、Save Money Crew系な、程よくレイドバックしたトラックと半分歌・半分ラップな独特のフローが特色だと思いました。

ただ、02. Pose、03. Off It Again / Silly50などの少し斜に構えたような雰囲気などは単純にChance The Rapperフォロワーという感じでもなさそうで、こういったフロー自体がいまの流行り、と捉えるとスッと入ってくる面はあります。最近話題に上がることが多いGoldlinkなんかも同一線上でつながってくると思いますので、Goldlinkにピンときた人はRichardthe50についてもチェックしてもらえると良いかも。


Electric Feeling / DMTR$G & Richardthe50
これなんかグッとくるかた多いのではないでしょうか?僕はかなり好みです。


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GWで気持ちも高揚してくるとついスクリューが聴きたくなるもの。道中の車内で。立ち寄ったオシャレなカフェで。大切な人との大切な時間のお供にピッタリの、ステキなスクリュー5連発です。コメントは少なめで。聴けばわかる。考えるんじゃない、感じるんだ。

DJ Hollygroveによるニューオーリンズ産ヒップホップのスクリューミクステ、"Screw Orleans 4"。オールドスクール・バウンスなモノから10年代現行サウス・サウンドまでを縦横無尽に(でもスローに)駆け巡るシリーズの最新作ですが、相変わらずのトロットロ具合と、ニューオーリンズバウンスとスクリューの相性の良さを再確認できる一枚になっています。DJ Jimi / Where They Atとかたまらないですね。

2枚目はヒューストンのラッパーLe$がリリースしたEP"Expansion Pack"を、アルバム一枚をまるっとスクリューする手法で量産するDJ、Slim Kが手がけた"Expansion Pack (Chopped Not Slopped)"。オリジナルのほうは王道サウス・バウンスとLe$のチンピラ風情溢れる軽いラップが良い具合に絡まる秀作でしたが、スクリューすることでムーディーな雰囲気がグッと増し、何かLe$の貫禄も2割ほど増した気がします。03. Pen Pimpinなんかはサウスの重鎮の香りすら漂ってきます。

3枚目もSlim Kから。ロスのラッパー、Dom Kennedyが昨年リリースしたアルバム、"Get Home Safely"をこちらもまるっと一枚スクリューしてしまった、"Get Home Slowly"。スクリューものの楽しみかたとして、いかにタイトルにスクリューっぽさをダジャレ的に折り込むか、という点があるかと思いますが、これはなかなかウマいタイトルで座布団一枚な感じでした。オリジナルのレイドバックした雰囲気も最高だった04. Erica Pt.2の感じ、さらに最to the高でした。

4枚目はLe$のEPにも参加していたCurrensyのミクステ、"The Drive In Theatre"を、Slim Kとあわせてスクリュー界の闘魂三銃士とも言えるOG Ron CとDJ Candlestickがまるっと手がけた"Po' Up Theatre"。もうそろ言うこともなくなってきましたので、まだスクリューが足りねぇぜ!体がスクリューを欲してやがる!というかたはどうぞ。

ラストはここ最近のHip Hopシーンの最重要人物と言えるSchoolboy Qが満を持してリリースした"Oxymoron"をSlim Kがもはやフルーツグラノーラ感覚でサクッとスクリューした"Chopxymoron"。前に"Chopyonce"という最高のネーミングがありましたが、こちらもなかなかな名づけ方。"Oxymoron"自体を聴きこんだかたも多いと思いますが、TDE勢の次のリリースを待ちわびる気持ちをグッとスローダウンさせるためにも、こちらの作品もオススメしておきます。 



まだまだ全然4月分のミクステがまとめきれてないので、延長線に続きたいと思います…

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