Funky Freshin'

日々リリースされる膨大なHip Hop / R&Bの海に溺れながら音源を紹介していきます

image image 2014-05-21-08-18-09
昨年のBeyonceのセルフ・タイトルとなったアルバムに参加し、多くの人がその名を知らない状況から、多くの人が彼の音源を待ちわびる状況になった、プロデューサーのBoots。彼のソロ作となるEP、"WinterSpringSummerFall"が発表されていました。
ジャンルとしてはR&Bになるものの、生音やアコースティックな音を意識的に取り入れていて、彼のバンドとしてのキャリアを想起させ、ドラムが強い曲もありますが、あまりビート感が強調されている感じはありません。彼の透明感あるボーカルも相まって、Rhye(というかロビン・ハンニバル)のプロダクションにも通じるものがあります。客演にはJeremihにShlohmo、さらにKelelaと、こちらも隙がない布陣。
次の04. Fade Awayとリンクして繋がっていく03. Howl Your Move、昨今のブギー周辺への接近も見せる(アウトロのビートチェンジもカッコ良い)05. Alrightあたりが好みでした。ちなみにBeyoceが参加した"Dreams"は音源としては独立して公開されているので、聴きたいかたはディグってみてください。

2枚目はスウェーデンのシンガー、Sebastian Mikaelのデビュー作となるEP、"Waiting Game"。北欧からの発信ということもあって、上に挙げたBootsのようなFuture R&Bの感じなのかと思いきや、王道まっしぐらなノリで意外でした。彼のBioを調べていくとどうやらEpic Recordsとサインをしているようで、その中でRico LoveやSalaam Remiなどの仕事ぶりを間近で感じられる環境にあった模様です。
全6曲の短い構成ですが、スクリューされたコーラスとフックのトライバル調にアゲていく感覚の対比も気持ち良い03. Throw It Upなど、聴ける曲は多いです。プロデュースのKJ & Jokerも良い仕事。アップカミングなアルバムも控えてそうで、さらにRick Rossとのコラボもあるとのことなので、今後よく聞く名前になるかもしれませんね。

アトランタのシンガー、モデルのZoey Clarkeの最新となるミクステ、"Runway Reloaded"。この作品きっかけで調査してみたところ、実は過去に"Runway Music"、"Runway Music 2"を出していました。モデルが本業ぽいのですが、意外と音楽のほうも力を入れている感じみたいですね。
サウンドとしては、過去2作も共通していますがEDM(ジャンルとして特化したEDMとはまた違いますが。)を中心としたダンス・アルバムになっていて、タイトル通り"Runway"らしい、ノリが良くてアッパーな楽曲が多いです。また、最後のほうではグッとテンポを落とし、Trap系のビートでR&B側に寄せた音にもチャレンジしているのですが、個人的にはこっちのサウンドのほうが断然好みでした。正直、最初のEDM系の音を聴いていたときは、う~ん…と思って途中で止めかけたのですが、彼女のボーカルとしての資質はむしろコチラ側にあるのでは、と思うくらいしっくりきました。


image  image image

ジョージアをベースに活動するK.Campの1stとなるEP、"In Due Time"。以前触れたことのある、Dj Dramaがホストとなったミクステと同名での発売となったようです。というか、ミクステに収録されている楽曲もそのまま流れてきていたりして、いまいちこの作品の位置づけが難しい。とはいえ、02. Turn Up The NightではB.o.B.が、03. Cut Her Offでは2 Chainz、そして08. Money BabyではKwony Ca$hがそれぞれ客演する、ある種Remixと言えるような形になっていて、一応はアップデートが図られています。
現在、アトランタが中心となって独自のシーンを形成している新しいR&B(A&Bという感じでしょうか)の先鋒的立場としてメインストリームに切れ込んでいく勢いのあるK. Campは、このあとリリースされるであろうフル・アルバムでその真価が見られそうで楽しみです。

Def Jam所属のシンガーで、このブログでも取り上げたことのある、Verse Simmondsの最新となるミクステ、"FaceOff"。今回はDJ AceとDJ Tephlonがホストということで、どちらかというとこれまでの彼の作品からのミックスという位置づけになりそう。
Young Jeezyが客演した02. Fully Loadedや、Kid IncとEric Bellingerが参加した05. Sexy Bodyなど、リミックス版が収録されていたりと、彼のこれまでを振り返るには良くまとまっている作品になっています。彼もそろそろフル・アルバムですかね〜。

2001年の"Soul Sista"から長いキャリアを経て最近は番組の"R&B Divas"に出演したKeke Wyattの、久びさとなる音源となる"Keke EP"。Lil' MoK. Michelleあたりもそうですが、"R&B Divas"出演を機にシーンにカムバックしていくシンガーが最近多い印象です。調べた感じだとカニエの1stにも参加していたSyleena JohnsonやAngie Stone、Faith Evansなども出演していたようで、これからさらにリリースがされそうな感じもします。
本作は、サウンド的には先に挙げた2人のディーバの例に漏れず、現行のメインストリームR&Bを地でなぞるような、非常にマナーを押さえた作品になっています。スロー・バラードでしっとり聴かせる01. Fall In Loveや、Pusha Tを迎えてアクセントを入れた02. Rain ft. Pusha T、最近自身のミクステを発表し勢いに乗るNitty Scott, MCとの04. Remeber ft. Nitty Scott, MCなど、「あぁR&Bだね」と10人中10人が頷くような構成で、突出した何かがあるわけではないですが外さないラインです。
彼女もTBAながらアルバムが控えている模様ですので、EPとしてこれくらいのクオリティでリリースがされてくれば、去年のK. MichelleやTamar Braxtonのようなヒットを予感させます。

image
 image image

ジャケからして不穏な匂いが香り立つ、ラスベガスのラッパー、Sean RoseとシンガーのFalconからなるデュオ、MontageのデビューEP、"Sinners"。
ラッパーのSean Roseはこれまでにもソロで"OVERDRIVE"、"Desert Of Dreams"、"Smell The Rose"の3作をリリースしています。どれも作品によってテイストが異なっていて面白いラッパーだなと思います。対するシンガーのFalconについては有益な情報が見つからなかったのですが、MVを見る限りはかなり若い、フレッシュなシンガーである印象を受けました。ボーカルに艶があるので、この作品の持つ、どこか掴めないミステリアスな世界観の構築一役買っています。
サウンドも非常に独特で、ビートはTrapからオルタナR&Bへ繋がるラインにあるのですが、彼ら2人が互いにラップと歌の境界を行き来するようなかけ合いをしていくことで、他とは違う浮遊感を覚えます。
ピッチアップされたコーラスとスクリューされたコーラスが濃厚に絡みあうことで、サウンドとして一段上がった感のある03. Forever、MVの密室感と彼らの雰囲気がこちらの部屋の湿度を上げるような04. PurpleLoveなど、聴きどころは多いです。今回の記事の中ではダントツでオススメです。



2枚目はLAの新鋭シンガー、Gallantのデビュー作となる"Zebra EP"。The Weekndがいかにシーンに影響を与えたか、ということがよく分かるくらいに彼の影響を感じるシンガーです。オルタナ系R&Bのアンビエントな雰囲気とファルセットを利かせた甘い歌声は、非常に今風ではあるのですが、聴いてるうちにソウルの文脈に繋がるのではないかと思ってしまいました。
04. Sirensの内省的でとことんダウナーな曲から続いて、スクリュードアップされた声とコーラスが唸りをあげる05. Interlude - I'll Keep U、そして今年に入ってから個人的にリバイバルの布石を感じている2ステップサウンドの06. Siennaの流れに、彼のアーティストとしてのセンスを感じることができました。
このEPの楽曲を多く手がける、Felix Snowというプロデューサーの存在も気になるところです。下のKe$ha - Die Youngのカバーも、本当にカバーかと思うくらいのアレンジっぷりですが、こちらもカッコ良い。


正直カバーと言われてもわかんないっすね…

Tygaのレーベル、Last Kingsとサインをしたシンガー、Estyのデビュー作となるEP、"Darkloom EP"。4月のリリースでしたが、最近ようやく聴いたのでこのタイミングでの紹介です。
彼女のfacebookなどを見ても非常にアーティスティックな、独自の世界観を持っていて、それが今回のEPにも存分に表現されています。サウンド的には現行Chill & Bの流れを汲みつつも、アレンジのストリングスが効いていたり靴音のような音が差し込まれることで、どこかウェットにまとわりつくような印象の音に感じました。
Tygaも参加している02. Killing Your Ills ft. Tyga、アウトロに向けて徐々に高まっていき一気に突き抜ける雰囲気がたまらない04. We Could Have It Allあたりは、デビュー作と思えない完成された曲だと思います。全編を手がけたのはTygaのプロデュースも行っている、Jess Jackson。The WeekndやJames Brakeあたりの退廃的なムードが好きなかたにはぜひオススメなEPです。
このエントリーをはてなブックマークに追加
スポンサードリンク
スポンサードリンク

コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. 英人
    • July 21, 2014 11:28
    • gallantとestyがすごく良かったです(^^)
コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット

トラックバック