Funky Freshin'

日々リリースされる膨大なHip Hop / R&Bの海に溺れながら音源を紹介していきます

ハロウィン楽しんでますか。
いまだにいつがハロウィンなのかもよくわかってないですが、去年もこの時期に街に仮装が増えてきて気持ちがレイムになった記憶があります。

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カナダはモントリオール出身のシンガー、Love Mansuyの1st EP、"Barely Legal"。カナダR&Bシーン、どんどん新鋭が出てきますね。
ここ最近の男性シンガーはどこかファルセット偏重な雰囲気も(シーンがそうだった、といわれればそうかもですが)ありましたが、彼はどちらかというとアルトボイスが持ち味なシンガーで、そこが持ち味になっています。
今年ジワリとブームになりつつあるディープハウス系四つ打ちの02. Bullets、そこからHipHop Soul的な四つ打ちに流れる03. Rockets [Return]、こちらもジワジワ来つつある2ステップ・トラップなビートが印象的な11. Spaceなどなど聴きごたえ抜群な1枚になっています。


お次はアトランタのDJ Spinzがサポートするシンガー、K Majorの4曲入りEP、"The Pursuit of Happiness"。
遅めのBPMの上をか細く切れそうな声でささやくように歌うスタイルはセクシーでもあり、ベッドルームR&Bとして非常に好きな雰囲気です。
声質的にJeremihや、曲によってはChris Brownにも近いものを感じます。テンポのある曲だったらどんな感じなんだろう、とか色々想像が膨らむ新鋭です。
しかし、こういうスタイルとサウンドのシンガーがアトランタから出てきた、というのが意外でした。Drakeに見初められたiLoveMakonnenもそうですが、Hip HopだけでなくR&Bシーンに対しても本格的にアトランタが中心になっていくような、勢いがありますね。


こちらもカナダシーンの新鋭、トロントのTory Lanezのミクステ、"Lost Cause"。
前作を取り上げた際にも書きましたが、少年時代をアメリカの南部ですごした経験が非常に色濃くサウンドに反映されているシンガーだと思います。
本作でもメロウなネタを極端にスクリューさせたビートに、アンビエントな雰囲気な彼のボーカルが乗り、単純なオルタナR&Bに収まらないサウンドになっています。今回はいまっぽいスタイルのラップが中心の楽曲もあったりと、彼自身のスキルの幅を広げようとトライしている側面も感じられ、1人で2役こなすような器用さも見られます。
プロデューサーに同郷のRyan Hemsworthが参加していたりもしますが、今作で一番気になったのが終盤に流れる11. Henny in Hand。物悲しいギターカットが控えめに鳴るなか、噛みしめるように歌うTory Lanezのボーカルは何とも言えない色気があります。フック前に彼が何か言いかけるようにブレスの音が入り、一気にベースが入ってきて音の厚みが増していく構成は鳥肌がたつほどにかっこいい。個人的には今年のベストトラックの1つかなと思います。




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Sheeba Baby Music というレーベルからのリリース、という情報しかないシンガー、KYMYRAのミクステ、"Dirty Heels"。出身地もよくわからないシンガーでしたがDatpiffディグ中に見つけて内容も良かったのでご紹介。
古き良きHip Hop Soulの香りを感じさせるシンガーで、90年代R&Bライクな02. Best You Ever Hadでは凛とした雰囲気に、ソウルネタによる温かみのあるミッド・バラードの03. BaDaDooWahなどではキュートな声で歌い上げる姿はまさしくキマイラ(これが言いたかっただけというわけではありません)。
D'angeloの"How Does It Feel"をカバーしちゃうなど、シーンに対してのアプローチもバッチリです。ラストのClay Caffeyというシンガーとの掛け合いも素晴らしいスローナンバーの09.I Don't Konwもそうですが、スニペット的な構成の曲が多く、良いところでサクッと次の曲にいってしまうのが小憎らしい。そのへんも含め、御披露目のフリーEPとしては文句ない出来になっているんじゃないでしょうか。




お次はLAのシンガー、Eric BellingerのEP、"Choose Up Season"。アップカミングなアルバムである"Cuffin Season"にかけた前哨戦的なEPになっています。
とはいえ、客演からして異様に気合が入っており、Tiiflii、Preasure P、Teyana Taylor、K. Roosevelt(プロデューサー)、そしてThe Gameとなかなかなメンツ。
サウンドとしては、現行ウェッサイビートな02. Valet、かなりBPMを落としたベッドサイド感溢れる06. Night Owlなどは彼らしい、このあとのアルバムでも期待を持てる曲に仕上がっています。
ThisIsRnBに依ると今作はストーリー仕立てになっているようで、クラブで出会った2人が運命を感じて一緒になるんだけど、たいていどちらかが飽きてしまって2人は別れてにしまうんだ、今はそんなシーズンさ的なことをあるあるっぽく言っていたのですが、その記事を僕は死んだ目で眺めていました。しかもこれを今回のEPの曲名に絡めて語るという、ドヤ感満載な一枚です。
まぁシンガーはこのくらいの感じのほうが、らしくて良いですけどね...


ラストはハーレムの新鋭、Emannyの2ndフルアルバムとなる"Songs About Her 2"(iTunesへ飛びます)。2012年に出した1、それから去年リリースした"Songs About You"とリンクする作品になっています。コンセプトも一貫してベッドサイドであり、そういうシチュエーションにぴったりな、メロディアスでムードあるサウンドが続きます。
シンセの切な系メロが泣かせる06. Show You、どストレートなタイトルながらピアノの旋律でごまかしにきた08. Ya Sex、J.U.S.T.I.C.E. Leagueが手がけた正統派四つ打ちバラードの10. Refrectionなどなど、色んなテイストの音の中でトピックの雰囲気に決して流されないEmannyの技巧派な一面を見ることもできます。
爆発的に売れるような作品ではないですが、この方向性は見失わないでほしいです。

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