Funky Freshin'

日々リリースされる膨大なHip Hop / R&Bの海に溺れながら音源を紹介していきます

もちろん毎回おすすめしたいものをピックしてご紹介していますが、今回のはどれも本当に聴いてほしい作品ばかりです。

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Matt Monday / Before The Filth
サウス・カロライナはチャールストンのラッパー、Matt Mondayの最新となるミクステ、"Before The Filth"。
Dame Dashが絡むインディレーベルであるBluroc (Ski Beatzが24 Karateを出したレーベルですね)とサインをした新鋭MCであるMatt Monday。以前はRighchusのステージネームを名乗っていたようで、その時代に"Black Cradles"というミクステを出しているため、本作はセカンド、の位置づけになっています。
NYCのアングラシーンで暗躍するBlack Daveや、シアトルのSangoといった次代を担うようなプロデューサーの手厚いサポートを受けていますが、決してトラックに負けることなく独自の世界観を築いています。
フローがKanye Westぽいところがあったり(05. Get It Wrongなどは特に)、語りかけるようにタルく歌うところはWizっぽいところがあったりと、ゼロ年代を通ってきたMCらしいスタイルが特徴です。Soulection周辺が好きなかたにもリーチが届きそうな1枚だと思いますよ。


ThatGuySoda / Brooklyn Park LP
ミネソタのラッパー、ThatGuySodaのミクステ、"Brooklyn Park LP"。タイトルだけみてブルックリンのMCかと思っていたら、全然違いました。サウンドも東海岸のそれを想像していると良い意味で裏切られるもので、なかなか面白いビートの応酬が聴きどころです。
逆回転コーラスの鳴りが何ともエモい雰囲気を醸し出す06. Champagne ft Villz、アトランタマナーなビート、フローな09. My Phone、さらにはシカゴのKing Louieを迎えた04. The Droughtなど、場所や地域に囚われないスタイルが彼の特徴と言えそうです。
これだけインターネットによる活動の場があると、地域に固執するのは単に聴いてる側の都合なのかもしれないですね。少ない情報から決めつけてしまいがちなので、自分としてももっとフラットな目線で聴いていきたいところです。なかなか難しいですが...




NameBrand / GREAT Tape II
LAの新鋭ラッパー、NameBrandのミクステ、"GREAT Tape II"。名前にもあるようにシリーズ続編となっていて、前作は去年リリースされています(name your price)。ホストは前作から引き続きLA Leakersの2人が務めているようですね。
Talib Kweliっぽい声とフローが特徴的なラッパーですが、曲を聴きすすめて行くにつれてさらに一癖もふた癖も足したような、つかみ所のないスタイルがやみつきになる感じです。どこかDanny Brownなんかに通じる部分があるかも。
ソウル早回しの粗いループがたまらない04. Magical ft. AJやTDEのWillie Bを迎えた05. WonderfulのようなLAアングラシーンらしいサウンドもあれば、それこそダニブラがやりそうなダークなビートもあり、この辺の縦横無尽っぷりは、キャリアに似つかわしくない大物感も漂っています。
2曲ほど参加しているSha'leah NikoleというFemaleも気になります。



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Daye Jack / Hello World
ナイジェリアにルーツを持つアトランタ出身のラッパー、Daye Jackのデビューミクステ、"Hello World"。実は音源自体は1月にアップされていて、すでに聴いているかたも多いとは思うのですが、僕はほんと最近たまたま知りました。2014年中に聴けてよかった。。今はニューヨーク大学でコンピュータサイエンスを学んでいるという18歳の若きMCであり、そんな彼だからこその"Hello World"なんでしょうかね。
イントロから続いて始まりタイトル曲である02. Hello Worldは、ジャジーなベースラインと浮遊感のあるシンセのビート、Daye Jackのトーキング風味なラップスタイルとも相まってレイドバックした温度感が心地良い1曲です。
04. Don Fed UpあたりでふとよぎるのはChance The Rapperの存在。上にも書いた話すような、歌うようなハンパなところをフワフワとラップしていくスタイルは素直にチャンスを彷彿とさせますし、チャンスも大学時代の自身の生活を切り取ったのがキャリアのスタートなわけでして、どうしてもオーバーラップさせて聴いてしまいます。
ただ、単純なフォロワーで終わっているわけでは全然なく、LAやAmericaというプロデューサーのビート含め、彼ならではの世界観を生み出していると思います。


Akanimo Da Prophet & Brian C / Adult Swim
アトランタのラッパー(?)、Akanimo Da ProphetとBrian Cによるミクステ、"Adult Swim"。Akanimo Da Prophetについてはtwitterアカウントには"Voice Actor"という表記があったりと正直いまいち素性が掴めていないですが、両者のアカウントにアトランタとあったのでそこは確実なんでしょう。ミクステのタイトルは"アダルトスイムからインスパイアされてるんですかね?
イントロはカセット再生のスキットから始まりますが、そこで流れる曲が軒なみ日本の曲だったり(アジカンとか)、Cherry Brownの諸作とリンクするような05. Onichan Cypherなど、日本側の視点でみると興味深いサウンドが並んでいます。こういうアルバムはとかくリリックが面白かったりするものだと思いますがなにせ英語力ががが。。
謎めいた雰囲気なのでちょっと敷居高いところもありますが、NujabesなどのHydeout系な09. Save Usや10. Ode To The Cityあたりは聴きやすい仕上がりになっていますし、まずは一聴を、といった感じでおすすめです。


Paris Jones / November EP
ラストはこのブログでの紹介数ダントツトップのプロデューサー、Paris Jonesの月刊パリスジョーンズ11月号、"November EP"。とうとう終わり、見えてきましたね。
今回は彼のジャズ側への嗜好性がよりディープな方向に深化していった感があります。が、Outkastのカバーである02. Chronomentrophobia 2014のような曲があったり、ラストの05. Robert Raymon Roy's Fatherweightに流れるアフロセントリックなクラップとシャウト、そして美麗なコーラスとの絡みなど、この1年でさまざまなジャンルや手法にチャレンジした集大成に近いものがすでにあふれ出てきています。
個人的に、1年毎月EP出しますという企画のインパクトだけであればとっくに聴くのもやめていたと思いますが、これだけ毎月次のステージを見せつけられると、追いかけ続けて良かったなと感じてます。もはやぼくの方がまとめにかかっていますがラスト12月号、そしてフル・アルバムと本当に楽しみになってきてます。
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